横山大観 記念館 気ままお出かけガイド



  上野の不忍池の道をはさんだ向かい、池之端の地に、日本画の巨匠・横山大観の住んでいた家が記念館として公開されています。横山大観の絵画を見ると、誰にもまねのできない格調の高さと豪快な迫力で、見るものを惹き付けるなんとも言えない魅力にあふれています。
  以前からこの横山大観の記念館には行ってみたいと思っていたのですが、ここは平日は週の後半しかオープンしていなくて、しかも4時閉館。以前、一生懸命探していった時には、クローズしていてガッカリした記憶があります。

 そして、春の訪れを一気に感じさせる3月の初めの天気の良い午後、この横山大観記念館を訪問しました。上野駅に到着したら、すでに3時過ぎていて、地図を片手に焦って不忍池を歩き、3時半ぴったりになんとか記念館に到着しました。なかなか風情はあるのですが、 気をつけて見ないと見落としそうな入口です。
 
 記念館の中は周囲の都会の喧騒が嘘のような静けさの中にあり、とても赴きがあって落ち着く雰囲気です。家の調度のようにさりげなく横山大観ほか富田渓仙など有名な日本画家の作品が展示されていて、美術館というより生活の息吹きを感じられる自然な佇まいに思わず心が温まります。
 客間であった「鉦鼓洞」からは美しい日本庭園が眺められ、その静かな佇まいに思わず時の流れを忘れてしまいそうです。また、この客間で必見なのは、ガラスケースに入った重要文化財の「不動明王像」。近くでみるとなんともいえない迫力のあるこの仏像は、平安時代のもので重要文化財のあるとか。
 公開されているいくつかの画室には、大観や富田渓仙など同時代の著名画家の画がさりげなく飾られていますが、これらの展示は3ヶ月ごと替えられているとか。そして、2階の画室に行ってみると、横山大観の代表作「生々流転」の習作が展示されており、その見事な出来栄えに感動。大観の素晴しさをあらためて実感したのでした。
 ちょっと時間がなくて焦りましたが、小さい記念館なので閉館ギリギリでなんとか一通り見終わり、売店に立ち寄って玄関へ。靴を履いて外に出ると、とても可憐なな梅の木が、、。花がとてもしっかりしていて作り物のようにきれいな梅の花でした☆ (2007/3)

入口付近の佇まい

記念館入口
入口のプレート
入口から玄関へ
玄関前の梅の花
館内見取図
庭園と鉦鼓洞
                       日本庭園と鉦鼓洞
 横山大観が池之端のこの家に住み始めたのは明治42年(1909年)のことでした。その後、次第に敷地が拡大され、大正8年に現在の広さになったそうです。
 しかし、昭和20年に空襲のため住居が焼失したため、大観一家はしばらく熱海伊豆山の別荘に移り住みました。その後、昭和29年に焼失した住居の土台をそのままに新居が再建され、大観は昭和33年に90歳で没するまでここで生活し、晩年の数多くの名作を制作しました。 
 そして、昭和51年(1976年)に財団法人が設立され、遺族から数多くの作品や遺品の寄贈を受け、記念館として公開されました。
※館内は撮影不可なため、庭園と客間は絵はがき写真です。

客間「鉦鼓洞」
「鉦鼓洞」という客間の名は、大観が明治39年に一時移り住んだ茨城県の五浦の住居の近くの崖の下にあった洞窟の名前から取ったもの。一時期、大観はこの洞窟の所有者となったため、「鉦鼓洞主」と号し、印鑑にも用いていたとか。
右側に見えるのが重要文化財「不動明王像」。
 
上野駅から記念館への道にて、、

時間がないので小走で記念館に向かっていると、上野公園の入り口(西郷隆盛銅像近く)になんとキレイな桜が咲いていて、人だかりができていました。今年一番の桜と対面です。ここで写真をパチリ。 続いて、不忍池の横を通るとたくさんのカモが、エサを求めて集まっています。ここでも足を止めてパチリ。
上野公園の桜
上野公園の桜
不忍池のカモ
不忍池のカモ