東京都庭園美術館のゆったりとした敷地の一角にある日本庭園は、池泉を中心にした回遊式庭園であるともに、庭園の一角に茶室「光華」が静かに佇む書院式茶庭でもあります。そんなに広くはありませんが、どこから見ても絵になる整った庭園美は素晴らしいの一言です。 とりわけ、豊かな庭園の緑に茶室が溶け込む様は素晴らしく、紅葉の季節にはどんなにか感動的な景観になるだろうと想像を膨らませながら、目の前の日本の美を味わいました。 (2008・10・7)
茶室「光華」は、朝香宮邸の建てられた5年後の1938年(昭和13年)に建てられ、「光華」という名称は朝香宮鳩彦殿下の命名です。 武者小路千家の茶人・中川砂村の設計の下で、大阪の数奇屋大工棟梁の平田雅哉が建築を担当。立礼の席・広間・小間の三席と水屋・立水屋などで構成されています。 この茶室の入口付近には「立礼の席」という珍しい椅子式の茶席がありました。外国人向けに考案され、各流派家元の茶室に普及していたものだそうです。